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切屑分断パラメータ自動調整

3 min read

概要 #

切屑分断プログラム作成時に必要なパラメータである、振幅倍率を自動調整するためのアプリケーションです。

**注意点**
1.本機能はLogger端末が画面ロックされている状態では使用できません。
  ロックされてしまうため、本機能を使用する前にLogger端末にリモートデスクトップ接続することは控えてください。

  画面がロックされている場合にはモバイルモニター等を用いて、端末の画面を表示し、ロック解除を行ってから使用ください。
2.本機能はFANUCかつカスタムマクロ機能を有する設備のみ使用可能です。
3.本機能はFANUCが販売する「FANUC SERVO VIEWER」というソフトを併用します。
 本機能使用前に準備ください。



準備 #

FANUC SERVO VIEWERの購入 #

このアプリを使用するためには、FANUC CNCが搭載された工作機械から送り軸や主軸のモータのデータを取得するソフト「FANUC SERVO VIEWER」が必要です。事前に購入して準備ください。購入する際にはお近くのFANUCの支店のCNCセールス担当までご相談ください。
FANUCの国内サービス拠点と連絡先

Cドライブのロックを解除する(画面無し端末のみ実施) #

対象設備のLogger端末にSERVO VIEWERをインストールします。
Logger端末が画面無し端末の場合は、SERVO VIEWERのインストール前に下記の➀~➄を実施してください。
①”cmd”と検索
②”コマンドプロンプト”を右クリック
③”管理者として実行”をクリック

④下記をコピーしてコマンドプロンプト上に張り付ける。貼り付けると自動的に処理が実行される。
(空白行含めてすべてコピーすること)

↓ここから——-

uwfmgr.exe volume unprotect c:

uwfmgr.exe file remove-exclusion “C:\Program Files\Windows Defender”
uwfmgr.exe file remove-exclusion “C:\ProgramData\Microsoft\Windows Defender”
uwfmgr.exe file remove-exclusion “C:\Windows\WindowsUpdate.log”
uwfmgr.exe file remove-exclusion “C:\Windows\Temp\MpCmdRun.log”
uwfmgr.exe file remove-exclusion “C:\Windows\System32\winevt”

uwfmgr.exe file remove-exclusion “C:\Program Files (x86)\Microsoft\Edge Dev”
uwfmgr.exe file remove-exclusion “C:\Program Files (x86)\Microsoft\Edge Beta”
uwfmgr.exe file remove-exclusion “C:\Program Files (x86)\Microsoft\Edge”
uwfmgr.exe file remove-exclusion “C:\Program Files (x86)\Microsoft\EdgeWebView”
uwfmgr.exe file remove-exclusion “C:\Program Files (x86)\Microsoft\EdgeUpdate”
uwfmgr.exe file remove-exclusion “C:\Program Files (x86)\Microsoft\EdgeCore”

uwfmgr.exe registry remove-exclusion “HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows Defender”
uwfmgr.exe registry remove-exclusion “HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\WdBoot”

uwfmgr.exe registry remove-exclusion “HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\WdNisSvc”
uwfmgr.exe registry remove-exclusion “HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\WdNisDrv”
uwfmgr.exe registry remove-exclusion “HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\WinDefend”

uwfmgr.exe registry remove-exclusion “HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Tcpip\Parameters\Interfaces”
uwfmgr.exe registry remove-exclusion “HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon”

uwfmgr.exe registry remove-exclusion “HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\WOW6432Node\Microsoft\EdgeUpdate”

uwfmgr.exe filter disable

↑ここまで——————————

⑤ PCを再起動する(※再起動しないと反映されない)



Logger端末へのFANUC SERVO VIEWERのインストール #

SERVO VIEWERには下図のように
➀インストール用CDメディア
➁認証用USBライセンスキー
が入っています。


本アプリを使用する前に、対象設備のLogger端末にSERVO VIEWERをインストールしておく必要があります。インストールメディアをLogger端末で実行します。


インストールメディア内にsetup.exeという名前のインストーラがあるので、実行してください。

➀言語を選択し「次へ」をクリック

➁「次へ」をクリック

➂使用許諾契約を確認し「はい」をクリック

➃ユーザー名と会社名を入力する
➄「次へ」をクリック

➅「はい」をクリック

➆「次へ」をクリック

➇「次へ」をクリック

➈「次へ」をクリック

インストールが開始されます。

しばらく待つとポップアップが表示されるので「OK」をクリック。

⑪インストールが終わるとこの画面が表示されるので「完了」をクリックして終了。



Cドライブのロックをする(画面無し端末のみ実施) #

Logger端末が画面無し端末の場合は、SERVO VIEWERのインストールが完了した後に下記の➀~➄を実施してください。
①”cmd”と検索
②”コマンドプロンプト”を右クリック
③”管理者として実行”をクリック

④下記をコピーしてコマンドプロンプト上に張り付ける。貼り付けると自動的に処理が実行される。
(空白行含めてすべてコピーすること)

↓ここから——-

uwfmgr.exe overlay Set-Type DISK
uwfmgr.exe overlay Set-Size 10240
uwfmgr.exe overlay set-warningthreshold 5120
uwfmgr.exe overlay set-criticalthreshold 10240

uwfmgr.exe volume protect c:

uwfmgr.exe file add-exclusion “C:\Program Files\Windows Defender”
uwfmgr.exe file add-exclusion “C:\ProgramData\Microsoft\Windows Defender”
uwfmgr.exe file add-exclusion “C:\Windows\WindowsUpdate.log”
uwfmgr.exe file add-exclusion “C:\Windows\Temp\MpCmdRun.log”
uwfmgr.exe file add-exclusion “C:\Windows\System32\winevt”

uwfmgr.exe file add-exclusion “C:\Program Files (x86)\Microsoft\Edge Dev”
uwfmgr.exe file add-exclusion “C:\Program Files (x86)\Microsoft\Edge Beta”
uwfmgr.exe file add-exclusion “C:\Program Files (x86)\Microsoft\Edge”
uwfmgr.exe file add-exclusion “C:\Program Files (x86)\Microsoft\EdgeWebView”
uwfmgr.exe file add-exclusion “C:\Program Files (x86)\Microsoft\EdgeUpdate”
uwfmgr.exe file add-exclusion “C:\Program Files (x86)\Microsoft\EdgeCore”

uwfmgr.exe registry add-exclusion “HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows Defender”
uwfmgr.exe registry add-exclusion “HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\WdBoot”

uwfmgr.exe registry add-exclusion “HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\WdNisSvc”
uwfmgr.exe registry add-exclusion “HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\WdNisDrv”
uwfmgr.exe registry add-exclusion “HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\WinDefend”

uwfmgr.exe registry add-exclusion “HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Tcpip\Parameters\Interfaces”
uwfmgr.exe registry add-exclusion “HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon”

uwfmgr.exe registry add-exclusion “HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\WOW6432Node\Microsoft\EdgeUpdate”

uwfmgr.exe filter enable

↑ここまで——————————

⑤ PCを再起動する(※再起動しないと反映されない)


パラメータの自動調整手順 #

アプリケーションの開始 設備・工程選択 #

メイン画面から進む #

➀「改善」カテゴリーの「切屑分断パラメータ自動調整」アプリをクリック。


➁「設備選択」をクリック。
➂表示された設備リストの中から対象とする設備を選択。
➃「OK」をクリック


➄検索期間を設定し、「工程一覧検索」をクリック。
➅切屑分断パラメータ自動調整の対象としたい工程をクリックして選択。
➆「Next」をクリック。条件・パス設定に進みます。


「切屑分断プログラム」アプリから進む #

➀「切屑分断プログラム」アプリの条件設定画面で、振幅倍率を入力する欄の横にある「自動調整」ボタンをクリック。条件・パス設定に進みます。


条件・パス設定 #

パラメータ自動調整を行うときの条件を入力し、対象パスを選択します。


➀自動調整に使用するマクロのプログラム番号を設定。
➁送り速度の単位(毎分送りmm/minか毎回転送りmm/rev)と回転数制御方式(回転数一定か周速一定)を選択。
➂振幅倍率以外のパラメータ(周波数倍率、1周期当たりの指令点数)を入力。
➃自動調整に使用するマクロ変数番号を2種類設定。既に使用しているマクロ変数と被らないように注意してください。
➄左図の通りに設定ください。
 目標の空振り幅:0.1mm (*)
 測定開始トリガのN番号:30

*:周波数倍率が0.2以下の場合や、振幅を限界まで下げたい場合はこちらの値を使用してください。
➅自動調整を行うパスを選択。
➆「Next」をクリック。調整用プログラム出力に進みます。


調整用プログラム出力 #

条件・パス設定で選択したパスが、調整用のマクロプログラム呼び出しに変更されます。
➁「NCプログラム出力」をクリック。NCプログラムを既に出力している場合は②~➃はスキップしてください。


➂NCプログラムをダウンロードする場所を選択。
➃「出力」ボタンを押してプログラムをダウンロード。
 3種類のプログラムがダウンロードされます。
 ・マクロプログラム呼出しに変更したメインプログラム
 ・自動調整用のマクロプログラム
 ・変更前のメインプログラム
➄「Next」をクリック。SERVOVIEWERの有効化に進みます。


SERVO VIEWERの有効化 #

➀Viewer上に表示される写真のように、SERVO VIEWERのUSBキーを、対象の加工機に接続されたLogger用端末のUSBポートに差し込んでください。また、このタイミングで調整用プログラム出力で出力した「変更したメインプログラム」と「自動調整用のマクロプログラム」を対象設備に入力してください。
➁USBキーを差し込んだら、「Next」をクリック。振幅自動調整に進みます。


振幅自動調整 #

調整開始 #

➀「調整開始」をクリック。
➁確認のポップアップが表示されます。「OK」をクリック。


SERVO VIEWERの起動 #

Logger端末側でSERVO VIEWERを起動しますので、下図の画面の間は触らずにお待ちください。起動完了まで約3分かかります。


調整用NCプログラムの実行 #

「SERVO VIEWERの起動完了 作成したプログラムを実行してください」と表示されたら、SERVO VIEWERの有効化で対象設備に入力したNCプログラムを実行してください。実行箇所は条件・パス設定で対象に選択したパスです。なお、エアカットで調整を行う場合、工具の退避などはプログラムに含まれていないため、オフセット等で工具をワークから逃がした後にプログラムを実行してください。


NCプログラムを実行すると、自動的に測定が開始され、パラメータ調整が行われます。


パラメータ調整中は、対象のパス内を複数回往復しながら振幅倍率の調整が行われます。

調整完了 #

調整が完了すると下図のような画面が表示されます。
➀「閉じる」をクリックすると、本アプリを終了します。
➁「この振幅倍率で切屑分断プログラムを作成」をクリックすると、「切屑分断プログラム」アプリが立ち上がり、調整したパラメータを使って切屑分断プログラムを作成することができます。詳しくは調整した振幅倍率で切屑分断プログラムを作成を参照してください。


また、調整完了時には対象設備はアラーム状態となり、「TURNING PROCESS IS SUCCESSFULLY DONE CHOSEI KANRYO」というメッセージが表示されます。設備操作盤のリセットボタンを押してアラームを解除し、調整を終了してください。


空振り幅の目安 #

空振り幅を設定する際は、①切屑を確実に分断する、②切屑がぎりぎり分断できる限界まで振幅倍率を小さくする、のそれぞれの目的によって設定値が異なります。

①切屑を確実に分断する #

切屑を確実に分断したい場合は、空振り幅の値を以下に設定してください。

主軸回転数[rpm]周波数倍率空振り幅[mm]
~20002.5、1.5、0.5、0.33、0.250.1
2000~30000.2、0.1250.05

②切屑がぎりぎり分断できる限界まで振幅倍率を小さくする #

切屑がきれる限界に振幅倍率を調整する場合、以下の表から最も加工条件が近い場合の空振り幅に設定してください。主軸回転数が高いほど、空振り幅の値は小さい傾向にあります。

被削材主軸回転数[rpm]送り量[mm/rev]切込み量[mm]周波数倍率空振り幅
SCM4405100.30.20.50.030
SCM44012500.30.20.330.010
SCM44017500.30.20.250.005
S45C5100.30.20.50.040
S45C12500.30.20.330.020
S45C17500.30.20.250.010
SS4005100.20.20.50.005
SS4001250 / 17500.30.20.33 / 0.250.005

その他の機能 #

調整した振幅倍率で切屑分断プログラムを作成 #

調整完了画面で「この振幅倍率で切屑分断プログラムを作成」をクリックします。


切屑分断プログラム」アプリが立ち上がり、「点群プログラム」か「カスタムマクロ」を選択する画面に進みます。


どちらかを選択すると、条件設定の画面に進みます。
このとき、振幅倍率の欄には自動調整した最適値(ここでは0.65)が反映されています。


調整履歴 #

過去に実施した自動調整の結果を確認したり、その結果をもとに切屑分断プログラムを作成することができます。
画面左上の「調整履歴」ボタンをクリック。


調整履歴の一覧が表示されます。
選択したい履歴の上でダブルクリックします。


確認のポップアップが立ち上がるので「OK」をクリック。


切屑分断プログラム」アプリが立ち上がり、「点群プログラム」か「カスタムマクロ」を選択する画面に進みます。


どちらかを選択すると、条件設定の画面に進みます。
このとき、振幅倍率の欄には自動調整した最適値(ここでは0.65)が反映されています。



トラブルシューティング #

エラーメッセージ(ポップアップ) #

エラーメッセージエラーの原因対処法
選択設備はカスタムマクロ無効のため、本機能使用できません。
設備に、カスタムマクロ機能オプションを導入すると、使用可能となります。
本機能はカスタムマクロ機能が入っていない設備には対応していません。
本機能を使う場合には設備メーカーに依頼して、カスタムマクロ機能を導入ください。
対象設備の端末LoggerがPC電源断です。
電源が入るまで自動調整開始できません。
下記の状態が考えられます。
➀設備に接続された端末の電源がOFFになっている。
➁Logger端末内でLoggerソフトが立ち上がっていない。
➂Logger用端末がネットワーク(Wifi、LTE)に接続されていない。
Logger端末を確認し、端末の電源ONかつLoggerソフトが立ち上がってネットワークに接続された状態にして再トライください。

エラーメッセージ(振幅自動調整実行中) #

下記表のエラーが出た場合、リトライボタンを押すことで調整開始(SERVO VIEWERの起動)を再度行うことができます。ただし、エラー発生からすぐにリトライボタンを押すと調整再開に失敗するため、エラー発生から30秒ほど時間を空けてください。

エラーメッセージエラーの原因対処法
USBキーが挿入されていません。
SERVO VIEWERのUSBキーがLogger端末に接続されておらず、SERVO VIEWERの立ち上げができません。
SERVO VIEWERの有効化を参考に、Logger端末にUSBキーを挿入してからリトライを押して再度調整を行ってください。
SERVO VIEWERの立ち上げができません。
SERVO VIEWERの立ち上げ時に不具合が発生しました。
リトライを押して再度調整を行ってください。
SERVO VIEWERと設備の接続に失敗しました。
SERVO VIEWERと対象設備の接続に不具合が発生しています。
Logger端末以外の端末から対象設備にSERVO VIEWERで接続していないか確認し、リトライを押して再度調整を行ってください。
SERVO VIEWERが正常に起動していません。
LoggerがSERVO VIEWERを起動させる過程で不具合が発生しました。
リトライを押して再度調整を行ってください。
測定結果ファイルが存在しません。
SERVO VIEWERによる測定結果が正しく保存されませんでした。
リトライを押して再度調整を行ってください。
対象Loggerにて既に機能実行中です。
他のユーザーが本機能を対象設備で既に実行中です。
他のユーザーが実行終了してからリトライを押して再度調整を行ってください。
キーの送信に失敗しました。
Logger端末の画面がロックされている可能性があります。
画面あり端末であれば画面から、画面無し端末であればモバイルモニター等を接続し、Windowsのパスワードを入力して画面ロックを解除してください。
解除後、Viewerでリトライを押して再度調整を行ってください。
設備と接続されていません。
Loggerが設備と接続されていません。
設備と端末の接続を確認し、接続が復旧した後、Viewerでリトライを押して再度調整を行ってください。
処理がタイムアウトしました。
Logger側の準備が完了してから、調整用NCプログラム実行が長時間認識されず、自動調整機能がタイムアウトで停止しています。
・調整用NCプログラムが未実行の場合は、リトライして実行準備が完了してから、設備側で調整用NCプログラムを実施してください。
・調整用NCプログラムを実行していてこのエラーが発生する場合、何らかの問題でLogger側がプログラム実行を認識できていません。出力設定のカスタムマクロ番号などが正しいことを確認してください。

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