概要 #
KOM-MICSで測定するデータには、大きく分けて以下の2種類があります。
・設備から常に取得している、サンプリング周期500msのデータ。
・NCまたは電流計から特定のタイミングで取得する、サンプリング周期1msかつ高分解能なデータ。
本機能では、後者の測定を行う対象設備・タイミング等を本機能で設定して、その測定の有効/無効を切り替えることができます。この測定によって、仕上げ加工や非常に速い加工の見える化が期待されます。
FANUC 30iシリーズであれば、そのまま「高サンプリングレート測定設定」アプリをご利用いただけます。その他の設備については、高サンプリングレート用の電流データを取得するために、後述の「高サンプリング用ADユニットの取り付け」などの作業が必要です。

メイン画面 #

【メインメニュー】
①新規作成:新規に高サンプリング測定の設定を作成します。
②設定編集:選択した設定内容を修正します。
③閾値編集:異常判定に用いる閾値を設定します。
④有効/無効切替:測定設定の有効状態を切り替えます。無効にした後でも再度有効化が可能です。
⑤コピーして編集:既存設定を複製し、新規設定として編集します。
⑥設定削除:測定設定を削除します。削除後は一覧からも除外され、以後その内容での測定は行われません。
再度測定するには、設定を再作成してください。
⑦選択:対象設備を選んで測定設定一覧を表示します。
⑧測定設定一覧:検索した設備の測定設定一覧を表示します。
⑨測定設定の詳細:測定設定を選択した場合に詳細を表示します。
使用手順 #
新規作成 #
新規に高サンプリングレート測定設定を作成する方法の説明です。

①「メインメニュー」の「新規作成」ボタンをクリック

②「設備選択」ボタンをクリックし、該当の設備を選択
③検索期間を入力
④「工程一覧検索」ボタンをクリック
⑤高サンプリングレートを設定する工程を選択
⑥「Next」ボタンをクリック

⑦高サンプリングレートを設定するプログラム行を選択
⑧「Next」ボタンをクリック

⑨測定を行うチャンネルにチェックし、データ名称を入力
⑩設定名称を入力し、有効を選択
⑪「設定保存し終了」ボタンをクリック
上記画面は電流計使用の画面ですが、FANUC30i系のNC取得では下記画面のようになります。
加工機から直接測定データを取得できます。

他アプリへの対応 #
工程データ重ね合わせでの利用 #
グラフ表示値で選択可能になります。

異常検知AIでの利用(AI作成) #
・項目選択の欄に、高サンプリング測定の項目を追加されます。
・高サンプリング測定データを使用している場合、AIモデル作成が重くなるのを回避するため、データ間引きを設定してください。


閾値編集 #
高サンプリングレートの閾値の設定方法の説明です。
閾値判定は異常検知AI判定が難しい場合や、即時検知が必要で閾値設定が容易なときにご利用ください。

①閾値設定する高サンプリングレート測定を選択
②「閾値編集」ボタンをクリック

③「グラフ表示工程選択」ボタンをクリック
④「高サンプリング測定検索」ボタンをクリック
⑤対象工程を選択
⑥「OK」ボタンをクリック
⑦閾値判定有効にチェックし、閾値を入力
⑧「設定完了」ボタンをクリック
下記は「主軸1:6:主軸負荷トルク(DTRQ)」に閾値0を設定した例です。
閾値0を超えると、判定結果1(true)となります。

Logger側の設定のマクロ変数書き込みを有効にするとマクロ変数書き込みが行われます。
マクロ変数変更時は、「コモン変数を変更する際のフロー」内のチェックシートで問題がないか確認してください。

高サンプリング用ADユニットの取り付け #
FANUC30iシリーズのPLCが搭載されていないNCの場合は、別途ADユニットを設備に取り付けて、電流値から高サンプリングレートのデータを取得する。
高サンプリング用ADユニットの取り付け #
下図は簡単なシステム構成図です。

①電流クランプセンサー
主軸アンプに電流センサを取り付け、電流データを取得する装置。
②ADユニット
立型マシニングの電流データを測って、Logger端末に送信する装置。
③Logger端末
ADユニットから取得した電流データを、Viewer上で確認できる形式に加工し、保存する。

実際に立型マシニングへADユニットを取り付けた際の事例になります。
④取り付け対象の立型マシニング

実際に使用した機器になります
⑤Logger端末(Maxtang製)
⑥ADユニット(CONTEC製:AIO-160802GY-USB)
⑦電流クランプセンサー
⑧配線ケーブル

配線準備を行います。
⑨電流クランプセンサーと出力ケーブルを接続します。
⑩電流クランプセンサーの出力ケーブルを、ADユニットの入力端子に接続します。
緑色の端子台にセンサーのケーブルを差し込み、確実にネジで固定してください。
⑪ADユニットのUSBをLogger端末のUSBポートに接続します。

電流クランプセンサーを取り付けます
⑫電流クランプセンサーを主軸アンプにクランプする前に、必ず絶縁性の手袋を装着します。
⑬電流クランプセンサーを立型マシニングセンタの電源配線(主軸モータ用のU/V/W配線など)に取り付けます。
対象の配線をセンサーの測定部分に通し、クランプをしっかりと閉じて固定してください。
センサーが確実に閉じられていることを確認し、センサーが他の部品と接触・干渉しない位置に固定してください。
Logger端末にADユニット用ドライバのインストール #

画面なし端末の場合は、初めにUWFを無効にします。詳細は「UWF有効/無効」を参照してください。

①「LZF826AIOWDM_802F.zip」を適当なディレクトリに展開します
※ ドライバはCONTECの公式ウェブサイトからダウンロードできます。
ダウンロードには、会員登録(myCONTEC)が必要です。
②「\展開先フォルダ\LZF826AIOWDM_802F\INF\WDM\Aio_forWin10」の「Setup.exe」を実行

③「次へ」ボタンをクリック

④「同意します」を選択
⑤「次へ」ボタンをクリック

⑥「完了」ボタンをクリック
USBデバイスの場合は、OSを起動したままデバイスを接続します。
デバイスのプラグインにより、デバイスのインストールは自動的に行われます。
デバイスを使用する前に、デバイスマネージャでデバイスの名称設定を行ってください。

⑦Logger設定の「オプション機能」を選択
⑧「高サンプリングADデバイス」にチェック

⑨「高サンプリングADデバイス」を選択
⑩ADユニット用デバイスを選択
⑪「OK」ボタンをクリック
⑫「OK」ボタンをクリック
UWFを無効にしている場合は有効にします。詳細は「UWF有効/無効」を参照してください。