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04_電力データ可視化・解析編

2 min read

概要 #

2022/3より、KOM-MICSでは外部の無線・無電源IoT電力センサと連携して、電力収集を行う機能が追加されました。本項では、KOM-MICSで取得した電力のデータを見る方法・解析する方法についての解説を行います。

データを見る前に #

本機能の活用には、自社の設備の分電盤に設置した外部の無線・無電源IoT電力センサ一式と、それのデータ取得を設定した端末が設備の近くに必要になります。詳細な設置手順はLoggerマニュアルの電力計を参照してください。なお、電力計はセンサーが外国の認証を受けていないため、2022年10月現在、日本国内のみ使用可能です。

メモ:電力と電力量の違い

電力(単位:ワット、キロワット、メガワットなど)は、ある瞬間に、電気(電流)が行った仕事を差します。一方電力量(単位:ワット時、キロワット時、メガワット時など)は電力の時間積分、つまり電力に時間を掛け合わせたもので、”ある時間の間に、電流が仕事をするのに使ったエネルギーの量”を指します。これらはよく混同されますが、電気代や省エネを考えるときは、”電力量”が重要な指標となります。一方、電気で動く機械設備の瞬間的な仕事(負荷)を見る場合は”電力”が指標のひとつになります。

電力が高い=電力量が高いは必ずしも成立しません。少ない電力でも長時間使えば電力量が高くなることもありますし、電力量が高くても一瞬だけであれば電力量としては小さいこともあります。KOM-MICSでは、見るグラフによって電力・電力量の異なる単位が使われていますので、混同しないようご注意ください。

参考:https://www.jcom.co.jp/service/electricity/about/column_unit.html

Refference:https://www.kirbyelectric.com/electricity-energy-power-difference/

STEP1:ある期間の電力消費量のトレンドを見る(集計データ履歴) #

まず、データを見る設備の、集計された電力量の履歴・トレンドを確認します。確認には集計データ履歴を使用します。

まず、集計データを見たい期間と、ソート列を選択します。今回はフライス盤について、2022年9月の1か月間に使った電力量を見てみます。

注意:本データはコマツ社内のアカウントのみ参照できます。社外ユーザ様は、各自に設置した設備に置き換えて、手順を実行ください。

左側のメニューから期間を、表のデータの表示順(ソート)をする項目を、そして閲覧したい設備を選択します。設備の選択前に左側のチェックがついている事を確認してください。全て設定が終わったら更新ボタンを押します。今回は月次ですが、15分毎~月次まで集計単位を変更できます。今回の検索条件では2行のデータが出てきますが、2022/8/1 0:00:00~2022/9/1 0:00:002022/9/1 0:00:00~2022/10/1 0:00:00の2か月のデータが表示されます。

右側のグラフは散布図・折れ線・円グラフの3種類について、横軸(左のドロップダウン)と縦軸(右のドロップダウン)を選択する事で様々な解析を行う事ができます。今回は一例として、折れ線グラフで集計開始日を横軸として、合計消費電力量[kWh]を縦軸とした、消費電力のトレンドグラフとします。

まず、グラフの種類について左上のドロップダウンから”折れ線”を選択します。

次に、グラフの横軸に”集計対象開始日”を選択します。

最後に、グラフの縦軸として”合計消費電力量[kWh]”を選択します。

集計対象開始日を横軸とした、2点の折れ線グラフが作成できました。

STEP2:1日の電力量をみる(日次集計モニタ) #

次に、設備が1日にどれだけの電力量を使っているのかを数値として見ます。日次集計モニタでは、設備の一日当たりの稼働率と、1日に消費した電力量を見る事ができます。

[日次集計モニタ画面]

日毎集計モニタで、電力見える化のセンサ設置と設定の済んだ設備を選択します。今回は一例として、汎用フライス盤の、22年9月1日から30日までの、1日単位の電力データを確認します。(検索前に設備名として”DEMO_Supportdesk”がありますが、サンプルデータなので無視してください)

設備と期間を選択後、更新ボタンを押して設備の日毎電力データを表示します。期間は上図のように入力する事も、カレンダーで選択する事も可能です。また、設備は下のように複数選択も可能です。

初期画面では、稼働率[%]が表示されています。これを電力量に切り替える事で、日毎の電力量表示にすることができます。上部メニュードロップダウンから、表示したい電力量を選択する事で、日毎の電力量表示になります。

ここで、ドロップダウンの表示の意味は以下の通りです。

稼働率[%]:24時間中に設備の電源が入っていた時間をパーセンテージで表示したものです。

合計消費電力量[kWh]:設備の電源が入っていた間に消費した全ての消費電力量を指します。後述する3つの電力を全て合算したものです。これが”1日に設備が使った全ての電力量”となります。

正味作業消費電力量[kWh]:設備が目的の動作をしている時間(自動サイクル運転・加工・溶接など)の間に、消費した電力量です。

作業中停滞消費電力量[kWh]:設備を段取りや準備のため、動作中に一時停止してスタンバイ状態にしていた時間に消費した電力量です。

停滞消費電力量[kWh]:設備の動作サイクルが終了し、次の動作開始までスタンバイ状態でいた時間に消費した電力量です。

Excelでデータを詳しく解析・活用したい場合は、左上の から表示データをxlsx形式でダウンロードする事ができます。データサンプルは以下の通りです。

4つのシートに、稼働率[%]・正味作業消費電力量[kWh]・作業中停滞消費電力量[kWh]・停滞消費電力量[kWh]が、それぞれ分けて表示されます。

STEP3:1つの設備の電力を、より細かく見る(タイムチャート・センサーデータ) #

次に、ある1日の中で詳細なデータ、例えばある1日の稼働状態とその時々の瞬間に使った”電力”(電力量、ではありません)を見たい場合はどうでしょうか?STEP2で閲覧した日毎の電力量消費から、詳細な設備の稼働状態と電力のグラフをタイムチャートから見る事ができます。

タイムチャートは、メニューに戻って”改善”カテゴリから選択してもよいですが、今回はSTEP1で見た日毎の電力量から見る手順を紹介します。先ほどSTEP1で一覧表示した設備の日毎データで、詳しく内容を見たい日付のデータをダブルクリックします。今回は、2022/9/7のデータをダブルクリックします。

クリックすると、クリックした日付から直前7日間のタイムチャートデータ(今回の場合9/1~9/7)が別のタブで開きます。タイムチャートはある設備がどのような稼働状態にあったかを、時系列で表示する機能です。ここで、見たい日のタイムチャートを右クリックしてください。赤枠のどの位置でも可能です。

右クリックすると、の項目が表示されます。それを選択しOKを左クリックします。そうすると、ある1日にセンサーが取得した電力データを時系列に見る事ができます。

9/7に、フライス盤の電力計センサーが取得した、電力の時系列グラフが表示されます。センサーデータの操作説明はこちらのマニュアルにも記載ありますので、参考にしてください。

STEP4:複数設備の電力トレンドを見る #

最後に、建屋や工場、ライン単位で合計どれだけ電力を使っているかを、1つのグラフで毎日見たい場合があります。その場合は、消費電力推移機能をお使いください。

こちらで詳細の説明は省きますが、指定した設備と、それが属する会社・工場・ライン単位で集計した電力量の合計値を時系列の面グラフで表示します。また、グラフ内を左クリックする事で、会社→工場→ライン→設備とドリルダウン(掘り下げ)して詳細のデータを見る事ができます。

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